Tuesday, August 9, 2011

フランスで活版修行



今回はお買い物や美味しいもの巡りをしにフランスまで遊びに来たんじゃないのよ。フランスで活版印刷を教えてくれる先生に会いに来たの。


これは「ライノタイプ」と呼ばれている自動鋳植機。キーボードを打つとそれ通りに文字盤を選んで鋳造してくれる機械なの。これを教わりに来たのよ。

自動鋳植機は大きく分けて2種類あるのよ。「ライノタイプ」といって、組版が横一行分づつくっついた状態で鋳造されるものと、「モノタイプ」と言って一文字一文字バラバラの状態で組版されて鋳造されるものがある。漢字文化圏の日本ではライノタイプは根付かなかったので、実際火が入って動いているライノタイプを見るのは、生まれてはじめてでとても興奮したわ。

「モノタイプ」はこれは魔法じゃないかと思うような完璧で夢のような優秀な機械。それに対して「ライノタイプ」は様々な点で劣っているんだって、以前そう説明を受けたことがあるのだけど、今回使ってみてそれは間違いだと思ったわ。

「こんなチャーミングな機械ってないわ!」お伝え出来ないのがもどかしいけど音が素晴らしいの。まるでオルゴールや仕掛け時計を見るような感じ。きっと作業そのものが楽しかったんじゃないかってそう思えるやわらかさがある。

一方で「モノタイプ」は声がかき消されるほどの轟音と灼熱の中での作業。とても対照的だと思ったわ。「百聞は一見にしかず」というのはこういう時に使うのね。





なんと大きなガラモンでしょう!他にもフランスを思わせる活字がいっぱいあって引き出しを何度も何度も開けてみせてもらったわ。

もちろん最後は頬に挨拶のキス。先生色々教えてくれて本当にありがとう!!